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ポーセリン ペインティング –序章–

 2016年8月12日

ご存知の方も多いかと思いますが、ポーセリン ペインティング(磁器上絵付け)
とはキャンバスとなる白い磁器に筆で描いてゆくものです。
改めてそれがどういったものかふり返ってみようと思います。

まずはじめに、ポーセリン ペインティングに用いる“磁器”ですが、これを製品に
したものにはいくつかの種類があります。
・白磁のままのもの
・印刷された図柄を貼りつけ、焼きつけたもの
・筆で絵を描き、焼き付けたもの

RD_20160812_1白磁のままのもの”は、言葉の通り真っ白な状態の磁器です。実はこの状態から既に各窯元(メーカー)のこだわりが特色となって表れているのをご存知でしょうか。
磁器土や釉薬、焼成温度などにより違いが表れるそうです。

“印刷された図柄が施されたもの”は、絵、カラーやゴールドの模様などを磁器に印刷して焼きつけたものです。図柄が印刷された紙を白磁に貼りつけて焼成したものが多く、近年、ポーセラーツと呼ばれ親しまれています。
現在、主にシルク印刷で製作された転写紙が使われていますが、古くからある技法に“銅板転写”という手法もあります。
RD_20160812_2銅板をエッチングして原画を作成しますので、細密画のような転写が可能です。18世紀、イギリスのスポード社で開発されたそうですよ。(写真左:印刷 右:銅板転写)

“筆で絵を描き、焼き付けたもの”は、釉薬を施す前(本焼き)に絵を描く“下絵”、
釉薬の上に絵を描く“上絵”があります。
ポーセリン ペインティングは、釉薬の上に絵を描く上絵にあたります。
絵を描くタイミングや使用する色の組み合わせ、また焼成温度などが密接な関係に
あり、とても豊かな表情を魅せるのも特徴のひとつです。
RD_20160812_3

長い年月をかけて、各窯元それぞれ表現方法を模索し、すばらしい作品を生み
出してきました。その中で数々の道具や色が生み出され、淘汰されてきたに
違いありません。

このつづきは“ポーセリン ペインティング –お道具1–”でお話しします。

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