スタッフブログ

絵付けの基─その繋がりと広がり2─

 2024年5月21日

4月11日のブログ “その繋がりと広がり1”のつづきです。

前回のブログに掲載していた幾枚ものエクササイズプレート。 その中の一枚、右のほうに写っているプレートに女の子の髪と腕らしきパーツ、傍に右向き左向きのストロークが描かれているのに気が付かれた方もおられるのではないでしょうか。
実はこれらも “ストローク”が織りなす表現のひとつです。

そこで今回は、マイセンモダンアート関連のエクササイズプレートのうち、数枚ですが集めてみました。
例えば、左右に右向きと左向きのストローク、そして真ん中にストレートのストロークを構成する形で、モチーフ中に登場する人物たちの身体、上半身や下半身、上腕や下腕、腿や脹脛などが、そして動物たちの体や四肢などが表現されています。 また、ストローク単体を腰の部分からくるぶしまで順に描いていくことで女性の衣服(パンツ)が表現されるなど、幾つもの異なるストロークの組み合わせ方法があるのです。

故ハインツ・ヴェルナー教授が発案し、シリーズ化されたマイセンモダンアート “アラビアンナイト”や “真夏の夜の夢”、そして “ほら吹き男爵の大冒険”や “狩人たちのホラ話”などによく見られる、特にグラフィックスタイルで描かれたシリーズからはよく見て取れる表現方法のひとつと言えるでしょう。

ここまでお読みになられて「もしかして!?」と思われた方もおられるかもしれません。花の絵付けの基礎であると同時にモダンアートの基礎であり、両方の絵付けの基本となる “モノ”。 ストロークはそのひとつであり “マイセン絵付けにおけるその重要性”を感じさせるひとつの事例と言えるのではないでしょうか。 そして同時に、スーザン先生が話してくれる「絵付けの技術は、小さなピースが集まっている。 すべて繋がりを持っている。」を思い起こさせるのではないでしょうか。 こうした花の絵付けからモダンアートへの “繋がりと広がり”からも、やはりマイセン絵付けにおける一筆のストロークに込められたモノを感じずにはいられません。

スタッフブログ一覧へ戻る