スタッフブログ

スーザン先生5年ぶりの公開実演

 2025年3月19日

5年ぶりの公開デモンストレーションの様子です。
すでに進行していた「トロッケン・ブルーメ」と「ブラウンスドルフのバラ」の続きを行いました。
スーザン先生は5年ぶりに描きかけの作品を見たわけですが、ブランクなど何もなかったかのようにスタートさせてくれました。
お越しくださった皆さま、とても熱心に見てくださり、様々な質問を投げかけてもくださいました。


ところで…今更なのですが…「トロッケン・ブルーメ」の意味についてスーザン先生に伺いました。
“トロッケン”ドイツ語で”trocken”と表記し、”ドライ”を意味するそうです。
ワインやビールなどの”辛口”を表現する際にも使われますよね?
「トロッケン・ブルーメ」は、”シャープ”というイメージで名付けられたそうなんです。
確かに実際の工程、完成に近付いた花を見ると納得です。

「ブラウンスドルフ」に関しては、アンティークショップなどで見かける濃い色合いの背景に浮かぶように見える花は、どのような手順で描かれるのか?を伺いました。
答えは、花のモチーフをマスキングして、先に背景を完成させるそうです。

もう1つ話題になったことがあります。
当校に展示してある作品は、すべてスーザン先生によるもので、マイセン工房で実際に描いていたわけです。その幅は大変広く、ハイグレードなものが多く含まれます。
養成学校では、具体的な描き方を学ぶことはないはずです。
スーザン先生自身の鍛錬、優れた”目”で学び取ったということもあると思うのですが、教えてもらう機会はあったのか?
答えは、上級ペインターさんに直にお願いし、ただ見たいだけではなく”本当に”学びたいならと実際に描いているところを見せてもらうことができたそうです。
当時、ペインター間で、自身が描いているところを見せることは大変稀だったそうです。

普段、スーザン先生の作品や描いている手元を見ると、あまり完成されているために、そこまでに至った苦労を感じさせることはありません。
でも実は今に至るまでに、膨大な努力や思い、自問自答や行動したことなど、過ごしてきた年月の厚みに気付かされました。
本来、描いているところを見せていただけるのは当たり前ではなく、これから先に開催されるクラスやデモンストレーション、今まで以上に大事に見させていただこうと感じました。


末筆となりますが、このような機会を持てたのは、再開をお待ちくださった生徒の皆さま、お誘いに応じてくださったゲストの皆さまのおかげです。深く感謝申し上げます。

スタッフブログ一覧へ戻る