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馬上のふたり:ハインツ・ヴェルナー教授 アートワーク

 2025年7月1日

3月に再開したスーザン先生クラス、三つ目のモチーフ”馬上のふたり”の様子です。こちらのレッスンは二日に渡り行いました。

「あれ?これってアラビアンナイト?ちょっとちがう??」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。このモチーフはマイセンを代表するモダンアートの生みの親、ハインツ・ヴェルナー教授のプライベート アートワークのひとつです。

実はこちら、ウエディングを題材に描かれたモチーフで、女性はドレッシィな乗馬服、頭にはマリアベールにヘッドドレス。男性はスーツで頭にはシルクハットという出で立ちとなっています。
皆さまの目にはどのようなシーンに映るのでしょうか。
ホースウエディングでゆっくりと馬の背に揺られながら歩む新郎新婦を思い浮かべるかもしれません。または、新郎のもとへとヴァージンロードを歩む馬上の花嫁と、そのエスコートをする家族が思い浮かぶかもしれません。見る人のその瞬間の気持ちが形になるそんな素敵なモチーフです。

「はじめに用意するカラーは、フラワーレッド(※注)です。人物の顔に身体のアウトラインは前回終えているので….小さなローズから描いていきましょう。」
スーザン先生のデモンストレーションが始まりました。
ちなみにフラワーレッド(※注)で顔や身体のアウトラインを描く工程は、グラフィックスタイルで描かれるアラビアンナイト、真夏の夜の夢、ミュンヒハウゼン男爵の冒険、狩人のほら話などと共通しています。

”グラフィックスタイルで描かれる”としたのには理由があります。
例えば、アラビアンナイトには異なるスタイルのシリーズがいくつか存在しているのですが、グラフィックを起点に、よりソフトでふわりとしたイメージと、よりナチュラルでディープに絵的なイメージのシリーズが存在しています。それらの中には、”フラワーレッド(※注)”とは異なるカラーで人物の顔や体のアウトラインを描くシリーズもあるからです。
この”馬上のふたり”は、ナチュラルでディープに寄せて表現されていると言えるでしょう。
グラフィックスタイルのアラビアンナイトでは使われない色が使われているのも特徴のひとつです。

5年前にスタートして中断していたモチーフでしたが、皆さま、とても良い緊張感を持って描き進められ、気が付くと二日に渡るレッスンがあっという間に終わりました。
進行状態も良好で「すごく順調ね! 次回は二日間でなく一日で完成できそうね。」とスーザン先生。
次回のレッスンが楽しみです。

※注:当校で使用するカラーは、スーザン先生独自のレシピで調合したもので、一般に流通しているカラーと同じ呼称であっても、内容は異なります。

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