馬上のふたり:ハインツ・ヴェルナー教授 アートワーク
2026年5月26日
前回の続きです。
2020年に一日、前回の二日間、そして今回の一日で完成となりました!
こちらの作品は、ハインツ・ヴェルナー氏がマイセンの絵付け師としてではなく、個人として制作されたプライベートアートワークです。幻想的な世界観を持つアラビアンナイトとはまた異なり、どこか現実味のある愛らしさや温かみを感じさせるモチーフで、当校でも人気の高い作品のひとつです。
前回のレッスンで第一工程を描き終えられていた皆さま。今回は、完成へ向けた第二工程のレッスンです。
「このモチーフの2ndステップも、アラビアンナイトや真夏の夜の夢と同様に、1stステップを活かしたペイントオーバーが主体となります。もちろんそれだけではありませんよ。さて、それでは前回と同様、フラワーレッドからです。女性と男性の肌の影、そしてチークなどを入れていきましょう。」
花や果物、ランドスケープ、ワトーなど、磁器上絵付けでは多くの場合、第二工程の方が時間を要します。一方で、アラビアンナイトや真夏の夜の夢、ほら吹き男爵や狩人のホラ話といったマイセンのモダンアートは、第一工程に時間を要する傾向にあります。※すべてのモチーフではありません。
ですが、それはあくまで工程に掛かる時間のお話で、重要性のお話ではありません。
大切なのは、どの工程も仕上がりに繋がっているということです。
磁器上絵付け(ポーセリンペインティング)では、カラーの透け感や筆跡の焼き付き、前工程を活かした重ね塗りなど、工程ごとの積み重ねがそのまま作品の表情へと現れます。
完成作品から制作過程を感じ取れるのも、手描きの絵付けならではの魅力のひとつです。
スーザン先生がいつもおっしゃる「どんな工程も大切に。丁寧に描きましょう。」という言葉もまた、作品の表情に繋がる大切なアドバイスなのです。

スーザン先生のデモンストレーションをご覧になった後、生徒さま方はそれぞれのお席へ戻り、制作へ。第一工程で焼き上がった色彩や表情を活かしながら、濃淡による奥行きや柔らかさを加え、全体のバランスを見ながら描き進められました。
それに対しスーザン先生は、デモンストレーションの工程ごとに、色調を引き上げる箇所や加減についてアドバイスを行い、必要に応じて手直しも加えながらレッスンを進行。皆さま順調に描き進められ、最後の工程となるモチーフ内の金彩まで丁寧に描き終えられました。
フレッシュの状態からでも見て取れますが、焼成後にはさらに、同じモチーフであっても作品ごとの表情や空気感が現れます。今回の「馬上のふたり」やマイセンモダンアートは、そうした個性が特に色濃く現れる絵付けだと言えます。そこに生まれる違いこそ、スーザン先生の言う「フリースタイル」の醍醐味ではないでしょうか。
皆さまの作品はどれもとても素敵に仕上がり、最後にスーザン先生が作品ごとのバランスを見ながらアクセントを加え、完成となりました。次回のモダンアートモチーフも楽しみです。







