どこまでこだわる上絵付け?-必要な物とあると良い物1-
2024年7月25日
“磁器上絵付け” 皆さまにとってどのようなもので、どんなイメージをお持ちでしょうか?
国内外問わず、窯元の製品やアンティークがお好きで、素敵と感じた品を大切にされている方。作品づくりを楽しまれ、趣味やライフワークと感じておられる方。自分でも描いて作れるものと知って興味を持ったけれど、難しそうだし大変そう、絵心がないからと不安に思っておられる方と様々なのではないでしょうか。
今回は、磁器上絵付けに興味を持たれ、自分で描いてみようかな?始めてみようかな?とお迷いの方の参考になればと思い、当校の解釈や見解となりますが、磁器上絵付けの作品制作に用いられるアイテムについてお話ししたいと思います。
はじめに、磁器上絵付けの作品制作のために必須と思われるアイテムをピックアップしてみました。(あくまでも最低限必要な物で、十分ということではありません。)
「磁器上絵付け用のカラーとオイル、それらの保管容器、カラーとオイルを溶くためのスパチュラとパレット、筆、筆洗いなどのための容器、洗浄した筆を保管するケース、白磁器、焼成窯、机と椅子」
“絵を描く”水彩画や油絵などと異なるのは、屋外での作品つくりに向いていないこと(不可能ということではありませんが)、そして焼成が必要であることだと思います。
屋内での作業となることは許容範囲として、磁器上絵付けの作品制作において焼成は必須の工程です。窯を教室が所有している、または生徒さまがお持ちである必要があります。お値段はけっして安くはありません。そしてある程度窯内のスペースがあるものだと300Vの電力を必要とする商品が多く、その場合は電気工事と基本契約の変更が必要となります。また集合住宅の場合、規約や建物全体の総合電気容量の上限などにより設置不可であることもあります。(下写真は当校の窯で、かなり大き目です。)
私の知る限り、教室もしくは個人の先生も焼成窯を所有しているケースがほとんどですが、念のため、ご興味を持った教室や先生に「焼成はどうなりますか?」とお聞きになられてみるのもよいかもしれません。
「窯は持っているほうが良いのでしょうか?」とご質問いただくことがありますが、急いでご購入される必要はないというのが当校の見解です。特に磁器上絵付けを始めて間もない方には、しばらく購入はせず、よくお考えになってからお決めになっては如何でしょうかとお伝えしています。
次回は、当校が焼成窯は急いでご購入される必要はないと考える理由など、お話ししたいと思います。