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どこまでこだわる上絵付け?-必要な物とあると良い物2-

 2024年8月24日

前回のつづきです。

先のブログで、”焼成窯を急いでご購入される必要はないと考える”とお伝えしましたが、それには異なる観点からの理由があります。

ひとつめの理由はコスト面です。焼成窯はそれなりにお値段のするものであり、場合によっては工事が必要、かつ電気の基本料金も利用料も高くなります。どんな趣味にも言えることですが、想定外のことが起こり、使い続けることが難しくなる場合も考えられます。
まずは、長く続けられそうだなと感じられるまでは、通われる教室の窯で焼成しながら様子を見て、ご自宅での作品の制作ペースや窯の使用頻度などがイメージできるようになってから検討するのがよいと思うのです。

窯の電源や電気プラグ、コンセント

別の観点からの理由は、生徒さまたちが聞かせてくださった経験談からで「なるほど!」と感じたことからです。”窯があることで焼成しがちになってしまう”というのです。

ご自宅でひとり描いていると「自分が描けているのかいないのか?」「焼成後の工程を描くにあたってこれで焼いても大丈夫なのか?」などわからなくなり「わからないけれど、自宅に窯があるし焼いてみよう。」と焼成。焼き上がった作品を見て「ここをこう描き直してから焼けばよかった。」と後悔することが決して少なくないそうです。

当校でのレッスン中、考え込んでおられる生徒さまに講師が「どうですか?何か気になっていますね?」とのお声がけに、「そうなんです。ちゃんと描けているのかわからなくて。」という講師と生徒さまの会話が聞こえてくることがあります。

当校の窯

焼成(=窯入れ)に進むポイントは、”描き直す必要がなく、どちらかというと描き足す可能性がある(次のステップに繋げられる)状態”になっているかの見極めだと思うのです。
前述のレッスン中の会話の最後に「はじめのうちは、あれ??ん??何だか違う??など小さなことでも感じたことをおっしゃってくださいね。」と講師がお伝えているのですが、この”あれ?”が、焼成前の直しとして必要だったりします。(余談ですが、この気付きの”目”は少しずつ養われていきます。)

「窯は持っているほうが良いのでしょうか?」のご質問へのお答えは、急いでご購入を考える必要はなく、持つ/持たないのメリットとデメリットをお考えの上、ご検討なさってみてはいかがでしょうか。

必要となる備品の一部

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