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マイセン マルコリーニ –セピアとブルーのフラワーブーケ

 2020年2月6日

前回からの続きです。

東京校でも違う絵、モチーフで描いているマイセン マルコリーニ様式、単色の薔薇。当時のマイセン磁器製作所の総裁の名を冠した特徴的な作風を持つ花の絵付けです。

セピアとブルー、そして金で描く葉、茎、萼の第一工程を終えた前回。今回は第二工程から描き始めました。
よく目にする、オーソドックスな花の絵付けとは異なる描き方、“様式”で描かれるこのマイセン マルコリーニは、第一工程から“ここはこうする”に沿って描かれる必要がよりあり、それを実感することの出来る花の絵付けのひとつではないでしょうか。
マイセンやヘキストなどの窯元によるもの、マイセンのアルテマニアやマルコリーニなどのシリーズによるもの、歴史の中で“これがそれ”と確立させた先人の偉大さを感じずにはいられません。

「皆さん、今日はメインの薔薇の2ndステップから描きます。ソフトでありながらクリア。マルコリーニであるが故の表現となるよう心掛けましょう。まずは花芯からです。」
スーザン先生のデモンストレーションが始まりました。

混色ではありますが、同じ色で描き続けていく上で大切なことは、部分ぶぶんでの色の濃さもとても重要な要素のひとつです。
多色よりも難しいと言われる単色の絵付け。
スーザン先生の生のお見本をじっくりご覧になりながら「ほんとうに綺麗・・・」と呟かれた生徒さま。とても嬉しいお言葉をいただきました。

時折「あら。忘れ物ね。」と皆さまの作品をチェックしながら、手直しといっしょに筆を入れるスーザン先生。ほんとうに細やかなところまで描きこまれた作品の制作です。
先生といっしょに描き進めながらモチーフに咲く二輪の薔薇の第二工程をしっかりと終えられました。本日、窯入れ。明日は、ゴールドラックの第二工程に入ります。

ところで、ゴールドラックは、マイセン36種の花々の中に入っているのですが、あまり見かけない花のような気がします。スーザン先生に伺ったところ、すこし笑いながら「カーネーションと同じで、多くの絵付け師は描きたがらないの。難しくて時間の掛かるモチーフだから(笑)」と、こそっと話してくれました。 (神戸校/Bクラス)

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