トラディショナルフラワーブーケ-P&C
2018年6月30日
前回からのつづきです。
数あるマイセンの花の絵付けの中でも見かけることの多い “トラディショナル フラワー ペインティング”。
手描きの良さを生かしたまま、シリーズとして製品化するために課題とされる、統一感の実現に成功した花の絵付けではないでしょうか。
マイセンの知識と技術だからこそ、生み出すことができたと思われます。
スーザン先生がマイセン磁器製作所で絵付け師となり、過ごしていた頃、既にフラワーペインターたちにとって登竜門と位置付けられていた絵付けです。
今も昔も在籍数の最も多い、フラワーペインター。ほとんどの絵付け師がそれに始まり、それに終わるその道ですが、スーザン先生が伝えてくれる絵付けから、その奥深さを感じます。
多くの絵付け師がフラワーペインターとして描きつづける中、何名かがモダンアートなど花の絵付けから繋がるジャンルの絵付け師にピックアップされ、さらにほんの一握りのペインターが、風景やワトー、歴史的モチーフや超難易度のジャンルの作品を描き、制作する絵付け師となるそうです。
当時の倍率はおよそ、数百分の一。
そうして受け継がれてきた絵付けだからこそ、今もなお、私たちを魅了してくれるのかもしれません。
このクラスで生徒様と描いてきた “トラディショナル フラワー ペインティング” における集大成のふたつの “ブーケ(5種の花々)のモチーフ” のポットとクリーマーが、今回、完成しました。
マイセン様式において、トラディショナル フラワーペインティングとは “初歩” でありながら、描きつづけることで突き詰めていくことの出来る、そして、先にある絵付けに展開、進展するための起点となるとても大事な絵付けであることを、改めて認識することのできたように思います。
いつものように、生徒さまが想いと時間を掛けて描き、完成させた作品にスーザン先生が仕上げを行ないお渡しします。 楽しみにお待ちくださいませ。 次回から始まる新たなモチーフが楽しみです。(東京校/Bクラス)