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ポーセリン ペインティング –筆その3–

 2016年11月17日

筆について“その1”“その2”とお話ししてきましたが、今回は筆の洗い方についてお話したいと思います。(ここでお伝えするのは、マイセンやKPMといった油性のオイルを用いる上絵付けに使用される筆の扱い方です。)
洗浄が不十分で筆の中にカラーが残っていると、次のカラーが筆の中で濁ってしまいます。筆をよい状態に保つことにつながりますので、ぜひ参考になさってみてください。

当絵付け教室では、二種類のオイルを用いながら描きます。
ひとつは粘度の低い“ターペンターオイル”、もうひとつは粘度の高い“ディックオイル”。次のカラーに切り替える時、最後に筆箱にしまう際など、筆に含んだカラーをターペンターオイルで優しく洗い落とします。

ここで「優しく洗うとは?」「どのように?」と思われる方もおられるのではないでしょうか。要点をまとめると次のようになります。

  1. ターペンターをボトルなどに注いでおく
    *十分な水位が保たれている状態にします
  2. 筆の毛の根本までターペンターの上のほう(水面寄り)に浸す
    *筆の先がボトルの底にあたらないようにします
  3. 浸している状態のまま、筆の毛をボトル側面に軽く当てながらクルクルと回し、
    カラーを落とす
  4. 筆をあげ、ペーパータオルなどに筆を軽く当てて拭う
    *ぺーパーがオイルを吸い込むので、強くこすりつける必要はありません
  5. 十分にカラーが落ちていないようであれば、2~4を繰り返す

rd_20161119ポイントは”優しく取り扱う”ということです。
上記の洗い方の良いところは、筆に優しいこと。筆に負荷が掛かり癖がつくと、扱いにくい筆になります。

そして意外に思えるかもしれませんが、他の洗い方よりも筆の中に残ったカラーを効率よく落とすことができます。

今回、お話しした筆の洗い方は、スーザン先生がロイヤルクラスの中でされているやり方です。
描いている時、描き終えた時、描いていない時、その時々の筆の取り扱いは大切なことだとスーザン先生は言います。
そしてそれは上絵付けにおいて、作品の出来に関わることでもあるのです。

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