マイセン モダンアニマル ～物語の中の動物たち～

マイセン モダンアート“アラビアンナイト”“真夏の夜の夢”は、イスラム世界の説話集や、シェークスピアの喜劇に想起を得て、マイセン磁器製作所の巨匠ハインツ・ヴェルナー教授（1928-2019）が描き起こしたシリーズです。
この図柄には、シェヘラザードたちや妖精たちの傍らに数多くの動物たちが描かれているのをご存じの方も多いと思います。

表題の「モダン アニマル」は、それらの名脇役である動物たちをスーザン先生が”主役”にして描き起こした、当教室にしか存在しない作品見本です。
不死鳥や孔雀、犬や猫、ハリネズミやロバ、魚、うさぎ、カメ、馬、像、ヤモリ等々、数多くの動物たちが描かれていて「見ていて楽しい！」モチーフとなっています。

そんな楽し気なモチーフですが、 スーザン先生 によると実はこのシリーズ、マイセンの花の絵付けと技法的にとても深い繋がりがあるそうです。
例えば、動物たちの表現方法のひとつである“ストローク”は、花びらに用いられています。動物たちに躍動感をあたえるポイント（点）は花芯に。グラデーションのかかった胴体はローズアップル（薔薇の球体）に。

このようにマイセンフラワーを描くための筆使いひとつひとつが、よりわかりやすい形で寄り添い体をなしていて、トラディショナルとモダンアート、フラワーとアニマルと異なるふたつではあるけれど、絵付け技術を習得する上で予習にも復習にもなる、とても相性の良いモチーフだというわけです。

花の絵付けと違う点は “のびのび”と描くことです。 描く際に意識するポイントが異なります。
実際にクラスで描く生徒さまからも、花を描くのとは違う、気分が変わってよい、楽しい、といったお声をいただきます。

それでも前述のように、花の絵付けと技法的に深い繋がりがあると感じます。
それは、このモダンアニマルを描いたあとにマイセンの花を描くと、皆さまの絵付けが変わられているからなんです。
ご自身ではお気づきにならないかもしれませんが、確実に上達に繋がっていますよ！