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xxxをしっかりやっておけばよかった…

 2021年6月22日

表題は、クラス中によく耳にする生徒さまからのコメントです。
当校クラス内で、マイセン トラディショナルフラワーを描くときのステップは

  1. 白磁の選定とレイアウト
  2. トレース
  3. ファーストステップ
  4. セカンドステップ
  5. 補足のステップ(必要に応じて)

です。
3~5は都度焼成します。

どのステップがよりよい完成に結び付くと思いますか?

まず各ステップについて説明します。

  1. 白磁の選定とレイアウト
    まず白磁選びです。モチーフと白磁のデザイン背景やカテゴリーのマッチング、適切なサイズなどを考慮して決定します。
    白磁にレイアウトする際、上下左右の余白やモチーフの適切な向きを判断します。
  1. トレース
    当校でレッスンを受けてくださる殆どの方が、トレースをちゃんとしておけばよかった…
    と口にされます(笑)
    スーザン先生は、作品見本だけではなく、トレースも描き起こしてくれています。 

    このトレース、プロならではものなんです。そのため、トレースを追うだけでも目を養うよい練習になります。
    トレースにあるのは、ファーストステップに必要なラインだけです。
    緻密なモチーフの場合はかえって描きにくくなるので、最低限のラインのみで、残りは省かれることもあります。
    ちなみにプロはトレースを使わないのでは?と質問されたことがあります。
    スーザン先生によると、工房ではアタリだけを入れて描くことが多いですが、モチーフのグレードによってはトレースするそうです。
  1. ファーストステップ
    このステップは土台作りのようなものだと思います。
    モチーフの形を正確にとることが必要とされます。
    セカンドステップに入ったとき、ファーストステップをちゃんとやっておけばよかった…
    というお声をよく耳にします(笑)
  1. セカンドステップ
    ファーストステップは焼成されているので、うまくいかなくても消せる!という安心感があるようです。
    一方で、難しい…..というお声の多いステップでもあります。
    それでも、モチーフに生命が宿るようで達成感のあるステップです。
  1. 補足のステップ(必要に応じて)
    小さなステップです。
    セカンドステップで、焼成をせずに描き入れてしまってもよいのですが、スーザン先生もおっしゃるように、焼けるタイミングが持てるなら焼いて描いたほうが良い結果になるものなので、一度焼成して、安心感の中でじっくり描いていただいています。

余談ですが、5のステップの後、講師が仕上げて完成となります。
この仕上げの工程を知りたい!と言われることがあるのですが、”不足している箇所を補う”というものなので、5のステップまで皆様がされたことをするだけなんです(笑)
必要なのは、適切な箇所に適切な調子で描き入れる、ということでしょうか….

スーザン先生からの教えを通じ”完成度の高い上絵付け”を実現させるためには、はじめのほうのステップが大切だと考えます。
後半のセカンドステップ(ディテールを描く)ほうが重要視されがちなのですが、そこの辿り着くまでの結果がうまくまとまっていたほうが、迷いが軽減されるかもしれません。

xxxをしっかりやっておけばよかった…と生徒さまがコメントされたことをスーザン先生に伝えると、にっこりと頷いていたことを思い出しました。

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