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金彩について

 2020年4月17日

上絵付けの作品は、多くの場合、絵を描き金彩を施して完成となりますよね。でも、中の絵で十分..金はそのうち..という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そもそも上絵付けに金彩はなぜつきものなのか?
一説によると、昔のヨーロッパの磁器製品では、本焼き後、鉄分などによる黒点が出やすかったので、それを隠すために金が施されるようになったといわれています。

きっかけはどうあれ現在では、磁器製品に金彩はあるべきものになっていて、上絵付けにはもちろん、転写された磁器製品にも金彩が施されていますよね。
ある製品や作品を眺めて、もし金彩がなかったら…と想像してみてください。なんとなく…魅力に欠ける気がしませんか?

マイセン工房において、モダンアートなど絵の一部になっている金彩とアラビアンナイトのカーテンは、その絵を担当しているペインターに一任され、磁器の縁を飾る金彩は専任のゴールドペインターが行います。
スーザン先生はゴールドペインターではないので、磁器の縁を飾る金彩は行いません。

当教室では、スーザン先生の作品の縁の金彩は日本人講師が担当しています。
金彩のデザイン、サイズはスーザン先生が決定します。
決定のポイントは、スーザン先生の好みもありますが(笑)最も大きな要素は、白磁と図柄のデザインの方向性と時代背景です。
図案によっては、金彩のデザインが決まっているものもあります。

古いモチーフで、描き込みの多い繊細な図柄ほど凝った金彩が施されます。凝った金彩デザインの上、スーザン先生からは細めに繊細にね!という留意事項。
金彩を担当する講師は、スーザン先生の作品を台無しにしないよう丁寧に進めて、時にはスーザン先生にデザインの相談をしながら仕上げていきます。

金彩は根気が必要ですし、目が疲れやすいです。
しっかり休憩をとりながら、少しずつ進めていくことがおすすめです。これは、アラビアンナイトのカーテンを描くときのスーザン先生からのアドバイスでもあります。

また金彩はついつい後回しになりがち..その要因は慣れと時間を要するというよりも、金は大変というイメージが大きいのではないでしょうか。
当教室での例ですが、金彩は初めてという方でも、金の粘度の調整をしっかり行えばとてもきれいに描かれます。(アラビアンナイトの繊細なカーテンでも!)

気持ちのよい音楽でも聴きながら、おひとりでコツコツされるのももちろん良いと思うのですが、金彩コースでは、スーザン先生直伝のシンプルな金の扱いから適切な保存方法、修正方法をお伝えしています。会員さま以外の方でも受講可能ですので、どうぞお気軽にいらしてくださいませ。(4月休講)

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