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上絵付けの艶と発色について

 2022年9月4日

白磁の上で艶やかに発色している洋食器をみると、思わずジーッとみてしまいませんか?
艶と発色は、上絵付けの魅力の1つとして、挙げられると思います。

この艶と発色は、釉薬とカラーパウダー・オイルとの相性、描くときのコンディション、筆圧、筆使い….すべてのバランスで成り立つものと思います。

はじめのうちは、艶、発色が不足してしまいがちです。
それを私たち講師がお手伝いさせていただくのですが、そもそもなぜ不足してしまうのか?
というご質問をいただくことが度々あります。

当校のオイルは、ヨーロッパの工房で使用されているものと同じ性質のものです。
カラーの発色にとてもよい作用をしてくれますし、幅広い表現・技法を可能にしてくれます。

ですが嬉しいことばかりではありません。
使い慣れるまでに少々時間がかかります…..

つまり、慣れるまでは艶、発色が不足してしまう、ということになります。
ですが、ご自身の色調はどうか?を考えながら経験を積むことは、とても大切なことだと思います。

先日、ある生徒さまからこんな風に言われました。

各工程ごとに、薄いところを濃くしてから進めたらと思っていたけれど
最後まで描いた後に、色調を整えるほうが良いものですね。

そうなんです。
はじめの工程から薄いと感じて色調を上げてしまうと、透明感や深みに欠けてしまう絵になってしまいがちです。
描き込んでいくうちに、薄いと思っていた箇所が浮かび上がることがあります。
この効果があるので、1工程だけをみて、濃い・薄いの判断はしません。
最後に全体のバランスをみつつ、適切な箇所に適切な色を加えて整える。
そうすることで、その方自身が丁寧に描かれてきた良さが引き立つと思っています。

当校のカリキュラムをスタートしたばかりの方は、このまま(薄いまま)進めても大丈夫なのか?と皆さま感じられるようです💦
でも、一通りの工程までお付き合いいただけるよう、我慢していただきます(笑)

スーザン先生がよくおっしゃっていました。
20年以上、たくさんの生徒さまたちとお会いしているけど、上達されない方は1人もおられない!

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