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マイセンピンクローズについて

 2021年1月31日

ほとんどの生徒さまが早く描きたい!と口にされる「マイセン ピンクローズ」
マイセンのローズは数えきれないほどたくさんの様式がありますが、カリキュラムではじめに登場するのは、ペインティング No.2「ピンクローズと忘れな草」2種類の花の組み合わせモチーフです。

マイセン工房においては、ペインターの登竜門とされているそうです。(スーザン先生談)

ピンクローズ ペインティングNo.2

クラスでピンクローズに取り込む生徒さまと接していて、気付いたことがあります。ほとんどの方が複雑な工程だろうという印象をお持ちということです。

意外に思われるかもしれませんが、ペインティングNo.2のローズを描く工程は、印象よりシンプルかもしれません。
裏を返せば、粗が出やすいモチーフとも言えます。
正確な筆使い、カラーコンディション、色のトーンなど、ベストな状態で描き進めることが必要とされます。
花びらが隣接していますので、はみ出さないよう注意が必要です。
スーザン先生が絵付けのトレーニングにふさわしいモチーフと言うのも頷けます。

よほど全力でやらないと….と感じるかもしれません(笑)
他の花と比較してみると、注意点は多いですが工程はそれほど複雑ではないと思います。
言い方を変えれば”複雑で上級のテクニック”が必要とされるわけではなく、”基本のテクニック”で”クリアに”描くモチーフです。

でも複雑に見えますよね(笑)
それがマイセンの絵付けの魅力と言えるかもしれませんが。

例えば、ローズアップル(ローズのボール上の部分)の内側にある小さな花びらを表現するとき。
どうなっているのか分かりにくいため、皆さまが最も苦戦する場所の1つです。
とても複雑に”見えます”。でも技術的には、基本的な筆使いで小さな花びらの形を描くというものです。
表現する上でのポイントをしっかり抑えて、ゆっくり描いていくことが大切です。

“アクセントを入れる”工程があります。
アクセントと耳にすると強く入れるものと思われがちですが、実は”かくし味”だと私は思います。
このピンクローズを経験されると、アクセントはその部分を強調するものではなく、別の部分をたたせるものであったり、絵を魅力的にしてくれる効果があるものということがよくわかります。

このように”印象”のまま描くより、各工程のポイントを知って描き進めることによって、いじり過ぎを防ぐことができ、深みのあるクリアな仕上がりになると思います。
ペインティングNo.2のピンクローズは、他の花にない要素がたくさんあります。
一度経験されると、ご自身の絵付けの幅が広がりますし…度胸がつきますよ(笑)

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