スタッフブログ

作品について

 2018年8月28日

以前、“ロイヤルクラスはどんなセミナー?” で、本日誌でも様子をお伝えしているスーザン・クノブロッホのセミナーがどのように行われているかを取り上げたことがあります。
今回は、その対象となる “作品” とはどういったものなのか、当校の考えではありますが、お話ししたいと思います。

まず始めに思い浮かぶのが、キャンバスとなる陶磁器。
意識するようになったきっかけは、マイセン磁器製作所の賛同を得て、公認のセミナーを開講することとなった際の、使用する白磁などについての同窯元の一言。
「セミナーのために絵付け用の白磁ブランド “マイセンホビーコレクション” を作りましょう。‟波の戯れ“ などは白磁で完結し、完成した作品ですので、それらの使用には賛成できません。」
でした。
制作者の意図、そして意思、作品に込められた想いなど、大切なものと感じた瞬間でした。

その後、回を重ね、プロの絵付け師による磁器上絵付けの作品制作の現場(セミナー)に携わる毎に、この絵はどの白磁に合うのか、この白磁にはどんな絵が合うのか、より意識するようになっていきました。
そしていつからか、この絵はこの白磁以外のどの白磁に合うのか、そう考えるようになったのです。

当校では、スーザン先生のセミナーだけでなく、日本人の講師のクラスでも、基本的にスーザン先生の知識と経験によるモチーフと白磁のマッチングを尊重し、提案しています。
同じモチーフを形の異なる白磁に描く上で、サイズの変更やレイアウトの変更など、そうすることで作品がより作品と成るといくつかの窯元から学び、そう考えるからです。

今回の日誌は如何だったでしょうか?
なんだか小難しいことを書いているなぁ、と書いている本人が思うのですが(笑)、実は “もし自分が描くのなら、好きな絵を描く白磁を選べたら楽しいかも” と単純に思うからです。

左の写真は、白磁とモチーフの展開の仕方の違いについて、説明したものです。
イエローローズ(上)は、異なる白磁でも同様のレイアウト。ピンクローズ(中)は、通常のレイアウトと新たな印象のレイアウトへの変更。モダンアニマルのニワトリ(下)は、モチーフの分解と大幅な変更と展開。
そうして生まれる同じ絵でありながら異なる作品。 生徒さまに楽しいを感じていただければと思います。

スタッフブログ一覧へ戻る