絵付けの基─その繋がりと広がり1─
2024年4月11日
先日、レギュラークラス カリキュラムのブラッシュアップをお知らせすると共に、スタッフブログ”カリキュラムを更新しました!”で絵付けの基礎ってなんだろう?そんな疑問について、そして基礎から見えてくる絵付けについてふれました。
スーザン先生の「絵付けの技術は、小さなピースが集まっている。すべて繋がりを持っている。」という言葉の意味について、マイセン花の絵付けトラディショナルフラワーを例に少しお話ししてみたいと思います。
下写真は、スーザン先生が作成してくれた”エクササイズプレート”です。長め短め、右向きや左向きにカーブした、また揺れる炎のような、幾種ものストローク。それらを繋げたり重ねたりと合わせることで形作られる花芯や花弁、葉といった各種のパーツが描かれています。
例えば、薔薇の球体部分(マイセン花の絵付けではローズアップルと呼称)はストロークの角度を少しずつ変えながら塗り込むことによって形成されています。
ニューヨークアスターなどはストロークそのものを花弁として描き一輪の花となっています。
一見無秩序に描いているように見えるポピーのようは花は、小さなストロークを集めて1グループの花弁とし、さらにそれらを集合させ花として描かれています。
どの窯元の絵付けにも大なり小なり言えることですが(決して良し悪しでなく、各窯元の作風を支える技法や様式の違いからくるもの)、中でもマイセン磁器製陶所は筆による一筋 “ストローク” に特化性を与え、それを進化、昇華させた窯元だと言えるのではないでしょうか。
筆を用いて描く限り、すべての基となるモノのひとつがそこにあるとスーザン先生の手元を見ると感じます。彼女からその思想と技術を受け継いだ講師と共にこれからも磁器上絵付けの難しさ、それ故の素晴らしさを伝えていければと思います。