スタッフブログ

作品見本である前に

 2022年6月6日

過去のブログを振り返りながら、当校がお伝えし続けている絵付け、所蔵している作品(見本)についてお話ししたいと思います。

当校所蔵の作品は、ヨーロッパの歴史ある窯において、絵付け師自身がディプロマを授与され描いていたり、創造した作品が製品として流通した実績をもつ絵付け師たちによって制作されたものです。

ひとつひとつが時間の制限なく描かれたものなので、それぞれの窯元の様式は継承していても、絵付け師の個性、作風、センスが込められた唯一無二の作品と言えるでしょう。

多くの作品は、まず窯元による括り(=絵付け様式)で大きく分類できるかと思います。例えば、マイセンの作品、ヘキストの、KPMやヘレンドなど….です。(参考:絵付けの様式や方式

また、ひとつの窯元の中で異なるジャンルやスタイルによって分類できるでしょう。例えばマイセンであれば、トラディショナルフラワー、ナチュラル(自然派の花)、マルコリーニ、アルテマニア、オールドスタイル、モダン等など。(参考:絵付けの様式や方式–2

ロイヤルコースを担当するスーザン先生は、マイセン、フュルステンブルク、ヘキスト窯において、トップペインターであると同時に、モチーフやカラーの開発、作品デザインも手掛けたマスターペインターでもありました。

その経験から各様式に沿って創造、制作した作品(参考:図案について -その2)を自身のクラスで使用し、また、指導・公認した日本人講師が受け持つレギュラーコースで見本として使用することとしています。

慣れてくるとそれが当たり前のことのように思えてしまうものですが、それらは作品見本である前にひとりの絵付け師が制作した作品であることを忘れてはならないと思っています!

見れば見るほど、知れば知るほどその奥深さに驚かされ魅せられる“ポーセリンペインティング”。機会があれば、マイセン絵付けにおいて大切な位置づけにあると言われる“マイセン トラディショナル ローズ ペインティング”についてお話ししたいと思います。(参考:マイセンピンクローズについて

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